こんにちは!shunです。
今回調理いたしますは「ボロネーゼ」
イタリア北部の料理で、牛肉と香味野菜、トマト、赤ワイン等を煮込んで作る濃厚な料理です。
日本人は「ミートソース」の方が馴染み深いですし、同じ料理だと思っていた方も多いと思いますがボロネーゼとミートソースはれっきとした別料理です。
ミートソースはアメリカの料理で、トマトをベースにひき肉やケチャップ、ウスターソースで旨味や甘味を足した「トマトソース」です。
一方、ボロネーゼは肉を煮込んで旨味を引き出した「ラグーソース」と言われるものです。
ボロネーゼと名の付く料理をイタリアンレストランで注文するとゴロゴロとしたお肉の入った旨味の濃厚なソースを絡めたパスタが出てくると思います。
そんなお店で食べるようなボロネーゼをおうちで再現してみようと作ってみたら
「なんか思ってたよりあっさりしてるし、お肉の味よりトマト感が強め…。」
なんて失敗したことないですか?
トマト感強めでもそれはそれで美味しいんですけどね。ただイメージとは違う…。
そんな人がイメージ通りのボロネーゼを作れるようになるために
・肉の旨味を引き出す加熱の仕方
・ソースの旨味のバランスの取り方
以上2つのポイント解説とレシピの紹介をしたいと思います。
材料
ボロネーゼソース(3,4人前)
・牛ひき肉 150g
・牛肉(ブロック) 200g
(牛肉の総量が300~350gぐらい。割合は変わっても大丈夫)
・ソフリット 80g(作り方は別レシピ参照)
・トマトピューレ 50g(3倍濃縮)
・赤ワイン 50g
・水 100ml
・オリーブオイル 10g(約大さじ1)
・にんにく 1かけ
・ローリエ 1,2枚
・きび砂糖 5g
・塩 適量(大体合計4、5g程度)
パスタボロネーゼ(1人前)
・ボロネーゼソース 120~150g
・パスタ 1人前(生パスタや平打ちのパスタがおすすめ)
・バター 15~20g
・粉チーズ 10g(できればパルミジャーノ)
・こしょう 適量
手順
1.ブロックの牛肉を1,2cm角程度に切る
ボウルにカットした牛肉とひき肉を入れて塩を3g程度加える
ひき肉から粘りが出て全体がまとまるまでこねる
2,3等分してハンバーグ状に成形する
2.フライパンにつぶしたにんにくとオリーブオイルを入れて弱火にかける
にんにくの香りがしてきたら肉を入れて中火にする
3.ターナー等で押して肉をフライパンの底にしっかり当てる
なるべく動かさずにしっかりと焼き色が付くまで焼く
にんにくは焦げる前に取り出す
ひっくり返して両面に焼き色を付ける
表面が焼けたらフライパンの中で肉を押しほぐして赤ワインを加える
アルコールを飛ばすために2,3分加熱する
4.鍋を用意してフライパンの中身を移す
フライパンの底に焦げが残っていたらこそげ落として全部加える
ソフリット、トマトピューレ、ローリエ、取っておいたにんにく、塩ひとつまみ、水を加えて火にかける
沸騰したら弱火にして約40分煮込む
5.きび砂糖を加えて塩で味を調える(塩は強くしすぎない、そのまま食べて丁度良いくらいがおすすめ)
保存容器に移してソースは完成
6.パスタを仕上げる
鍋にお湯を沸かしてパスタを茹でる(乾麺なら1.0%程度の塩、生パスタなら塩はなし)
7.フライパンにバターを入れて中火にかける
バターがとけたらボロネーゼソースを入れて混ぜる
パスタの茹で汁をおたま半分程度加えて濃度を調整する(生パスタの場合は少し緩めになるくらい加える)
茹で上がったパスタ、粉チーズの半分、こしょうをフライパンに入れる
火を止めてソースが絡むようによく混ぜる
器に盛り付けて粉チーズの残りをかけたら完成
ポイント
・肉にしっかりと焼き色を付ける
→肉が焦げる(メイラード反応を起こす)と食欲を刺激する香ばしさや独特の旨味が生まれます。
特に牛肉はステーキ、焼肉、ビーフシチュー等、お肉がメインを張る料理では焦げ味というものは欠かせない存在です。
ボロネーゼは「肉」がメインのソースですからこの焦げ味をソースに移して肉の香りや旨味をより感じやすくさせることが美味しく作るポイントの一つです。
そのためにもひき肉を使う場合はまずハンバーグ状にする必要があります。
ひき肉をパラパラとほぐれたまま炒めてしまうと中の水分がすぐに出てきてフライパンの中の温度が下がり、なかなか焦げ目は付きません。焦げ目がつく頃には肉は水分が抜けきってパサパサに…。
なので塊にして表面積を減らし水分が溢れる前に表面だけを焦がします。
ここでどれだけ焦がすかでソースの色が決まります。
ミートソースはトマトベースの赤やオレンジ色に仕上げるものが多いですが、ボロネーゼはこの焦がしによってブラウンカラーの肉々しい色に仕上がります。
・肉の旨味と野菜の旨味をおよそ1:1にする
→グルタミン酸とイノシン酸という旨味成分がありますが、この二つに相乗効果があり組み合わせると旨味が増すことは有名です。
さらにこの相乗効果は各旨味成分が1:1で存在するときに最も効果を発揮します。
トマトや香味野菜にはグルタミン酸が、牛肉にはイノシン酸がメインで存在します。
食材ごとに旨味成分の含有量は違うのですが、ここで考えなくてはいけないのは
トマトのグルタミン酸含有量は牛肉のイノシン酸含有量の2倍以上だということです。
牛肉は豚や鶏に比べてイノシン酸の量が控えめです。
なのでソースでよく使うホールトマト缶(400g)とかを丸々使ってソースを作るとトマトの旨味や酸味に牛肉の旨味が負けてしまいトマト感強めのソースに仕上がってしまうのです。
本レシピでは3倍濃縮のトマトピューレを使っているのでトマト約150g分です。
トマトが牛肉の量の半分を超えないくらいにすることで旨味のバランスが取れます。
また、普通のトマト缶よりもピューレの方がしっかりと加熱されて種を取り除いてある分、酸味が少なくてコクがあるのでボロネーゼを作るならこちらがおすすめです。
その料理やソースが何の食材をメインにしているのか、旨味の強さはどれくらいなのかを考えて使う食材の比率を決めるとよりイメージに近い仕上がりになるはずです。
以上、基本の「ボロネーゼ」の紹介でした。
ミートソースしか知らなかった人もぜひ一度作ってみてください。
肉の旨味と深いコクのリッチな味がきっと忘れられなくなるはずです。
最後までご覧いただきありがとうございました!