【基本のレシピ】ペペロンチーノ

基本のペペロンチーノ 基本のレシピ

こんにちは!shunです。
今回調理いたしますは「ペペロンチーノ」
アーリオ・オーリオ・ペペロンチーノという料理名で直訳するとにんにくとオイルと唐辛子のパスタという意味です。
イタリアの家庭には必ずと言っていいほど常備されてる食材で作るシンプルな料理、日本で言えば塩おむすびとか卵かけご飯くらいの立ち位置でしょうか。
簡単そうに見えていざ作ってみると

「にんにくとか唐辛子の匂いはすごいするけど味はなんだか辛いだけで薄っぺらい感じ。」
「麺を茹でるときは塩をどれくらい入れるとかソースは乳化させなきゃいけないとか良くわからない。どうしたらいいの?」

なんてことないでしょうか?そこで今回は

・ペペロンチーノの旨味や香りの出し方

・パスタの美味しい茹で方、ソースとの合わせ方

以上2つのポイント解説とレシピの紹介をしたいと思います。

材料 (1人前)

・スパゲッティ     80~100g(お好きな太さのものを。今回は1.6mm)
・オリーブオイル    20g(大さじ2。できればエキストラバージンオリーブオイル)
・にんにく       1,2かけ(できれば国産のものを)
・唐辛子        1本
・イタリアンパセリ   4,5g(なければ普通のパセリでも可)
・塩          15g程度

手順

1.鍋に1L強の水を張って火にかけて沸かしておく

2.にんにく、唐辛子、イタリアンパセリをカットする(にんにくは厚くスライス、唐辛子は半分にして種を除く、パセリはみじん切り)
 それぞれ好みに合わせて量や切り方を変える
 どのような違いが出るかは後述

3.フライパンにオリーブオイルの約7,8割とにんにくを入れて火にかける
 にんにくから気泡が出てきたら弱火にしてじっくりと炒めていく
 このあたりで同時にパスタを茹でる
 沸いた鍋に塩を入れて混ぜる。パスタを入れたら麺がくっつかないように軽く混ぜ中火にして茹でる

4.にんにくが薄っすらと色づいたら火を止めてパセリの約半分と唐辛子を入れて余熱で30秒ほど加熱する
 パスタの茹で湯をお玉一杯弱(80ml程度)すくってフライパンに入れてこれ以上火が入るのを防ぐ
 

5.茹で上がり時間の1分前になったらパスタをフライパンに移す(ザルにあける場合は茹で湯を少し取っておく)
 フライパンを弱火にかけながらトングや箸でよく混ぜる(できるならフライパンを軽くあおって上下にも混ぜる)
 パスタを押さえながらフライパンを傾けたときにソースがすぐには流れない程度にパスタと絡む状態になるまで混ぜる
 味を確認して塩が足りなければ茹で湯を足して調整する。火を止めて残っていたオリーブオイルとパセリを入れて混ぜる。器に盛り付けたら完成

ポイント

・にんにくや唐辛子の扱い方
 →ペペロンチーノは非常にシンプルなパスタです。だからこそ食材の活かし方を良く考えないとただ辛いだけの料理になってしまいます。まずにんにくは小さいながらも旨味成分が豊富な食材でペペロンチーノの味の軸になってくれます。生の状態だと香りと辛味がきつく、旨味が隠れてしまっていますが加熱をすることで香りは穏やかになり辛味は甘味へと変わっていきます。ですが焦げるまで加熱をしてしまうとまた香りはきつくなり甘味は苦みやえぐみに変わってしまいます。今回は多くの人が美味しいと感じるレシピになるようににんにくは少し厚めにスライスしてゆっくり火を入れています。もっと細かく刻めばにんにく独特の香りが強く残りますし、強火で加熱してあえて焦がすレシピもあります。そこは好み次第です。
 唐辛子は乾燥しているものを使っているのでにんにくより水分が少ない分さらに焦げやすいです。なのでにんにくと同じ時間加熱してしまうとえぐみが出てしまいます。余熱だけで辛味や香りはオイルに移るので火を止めてから入れるだけで十分です。今回は半分に割って種を取り除いて入れていますが、辛いのが好きな方は細かく刻んで種ごと入れてもいいですし、辛さを押さえたいのなら割らずに丸のまま入れれば辛さはほとんど出ません。
 パセリは香りを良くするために加えていますが、苦手な方は抜いてもかまいません。また、パセリの香気成分は加熱することで多くが飛んでしまうので穏やかにしたければ大きめにカットしてすべて唐辛子と同じタイミングで加えるのも良いと思います。今回はパセリのフレッシュな香りを足すために半分は完成の直前に加えています。

・パスタの茹で方
 →パスタを茹でるときの塩についてですが、およそ1.0~1.5%程度にするのが美味しくて調理しやすい丁度良い濃度です。塩を入れるのには2つ理由があります。パスタはそばやうどんと違い麺を練るときに塩を加えません。なので塩を入れずに茹でたパスタだと麺に味が入っていないのでソースとの味のバランスが悪くなってしまいます。パスタは茹でると水を吸っておよそ2倍ちょっとの重量になります、つまり塩水で茹でることでお湯の塩分濃度の約半分の塩がパスタに入ります。こうすることでソースの塩分濃度に近づき、食べたときにより一体感が生まれます。もう一つの理由は茹で加減です。パスタにも含まれるデンプンは加熱することで柔らかくなるのですが、塩はその作用を緩やかにします。パスタの袋に書いてある茹で時間はほとんどが「1%の塩水で茹でたときに丁度良い触感になる」ように設定されているので塩を入れずに茹でると麺は茹ですぎの状態になってしまいます。

・ソースとの合わせ方
 →ペペロンチーノのレシピを調べると必ずと言っていいほど出てくる「乳化」というワード。油と水が均一に混じりあった状態のことを言います。乳化をすることでソースの口当たりがまろやかになって油っぽさを感じにくくなりますし他の食材に絡みやすくもなります。マヨネーズなんかが乳化の代表例ですね。パスタのソースも乳化させることでトロッとして麺との一体感がより生まれるのですが、にんにくと唐辛子だけのペペロンチーノで完全な乳化の状態にはまずできません。マヨネーズで言えば反発する油と水を卵黄が繋いでくれるのですが、ペペロンチーノにはその繋ぎになるものが麺に含まれるデンプンくらいしかないので繋ぐ力が弱く、完全な乳化には及びません。じゃあどうすのかというと、よく撹拌するか繋ぎになるような具材をプラスする必要があります。今回は前者ですが、油と水が分離した状態のドレッシングが良く振ることでしばらく混ざり合って乳化に近くなるように、パスタを入れてからよく混ぜるだけです。仕上がったらすぐに盛り付けてすぐに食べるのがポイントです。
 パスタを茹で時間の1分前に湯から上げるのはこのようにソースと絡めてよく混ぜたり、味を整えたり、盛り付けをしている間にもパスタは茹だっていくからです。いただきますの瞬間に最高のアルデンテに仕上がるように逆算して調理できると完璧ですね。

以上、基本の「ペペロンチーノ」でした。
ポイントが多くて難しく感じるかもしれませんが、結局は茹で方と火加減さえ間違えなければあとは自由です。
そもそもペペロンチーノはそのまま食べるよりもいろんな具材を足してそれぞれの家庭の味にしていく料理です。
ぜひ基本を押さえて自分だけの美味しいペペロンチーノを作ってみてください。
最後までご覧いただきありがとうございました!