【基本のレシピ】なます

基本のレシピ

こんにちは!shunです。
本日調理いたしますは「なます」
言わずも知れたおせち料理の定番ですね。
日常的に作ることはあまりないかもしれませんが、だからこそ

「以前作ったときと比べて触感や味のバランスになんか違和感」
「酢がきつくてたくさんは食べれない…これ以上砂糖を足しても甘すぎちゃうし」

なんてことになったりしないでしょうか?
そこで今回はパリッと触感でやさしいお味のなますを作るべく

・野菜の触感を活かす調理の仕方

・酢と砂糖の合わせ方

以上2つのポイントの解説とレシピ紹介をしたいと思います。

材料 (4,5人前)

大根   400g
人参    50g
塩     15g
水    500g+200g
酢    100g
砂糖    40g
昆布    1枚(上記の水200と一緒にして戻しておく)
かぼすや柚子等の柑橘類(あれば)

手順

1.大根と人参を切る
 まず3,4cmくらいの長さで輪切りにする(ここでのカットは仕上がりの「長さ」にあたる)
 皮をむき、食材を縦に置いて1cm程度の幅で切り分ける(仕上がりの「幅」にあたる)
 繊維の向きが縦になるようにまな板に置いてそのまま繊維に沿って切っていく
 大根は4mm程度、人参は2mm程度の幅に切れるとベスト(仕上がりの「厚み」にあたる)

2.水500に塩15gを溶かしておよそ3%の食塩水を作る
 食塩水の中に切った大根と人参を一度に入れて全体を浸した状態で10~15分置く
 ※長く浸けるほど仕上がりの味は濃くなるのでお好みで調整してください

3.水200、昆布、酢、砂糖を鍋に入れて混ぜ中火にかける
 鍋の外周に気泡がふつふつとしてきたくらいで火を止める(ボコボコと沸騰はさせない)
 そのまま置いて熱を取る

4.大根と人参を水洗いはせずにふきんで包み思いっきり絞って水気を抜く(レシピ通りの量なら2回に分ける)
 固く水気を取った大根と人参を保存容器に入れ、荒熱を取った酢液を注ぎ全体を浸す
 柑橘類があるならこのときに絞り汁を足す(カボスなら1個、柚子やレモンなら1/2個分程度)
 冷蔵庫に入れて1時間以上置く

5.器に盛りつけてお好みで絞った柑橘類の皮やごまをちらして完成

ポイント

・どんな触感を演出したいかで野菜の下ごしらえの仕方を決める
 →今回のなますは「パリッとした食感で大根と人参の歯ごたえに統一感を持たせる」というイメージで作りました。なので野菜は繊維を残すように切っています。噛んだ時に歯が繊維を断ち切ることでパリッとした食感が生まれます。また、人参は大根に比べると細胞が強固で水分量が少ないため、脱水による触感の変化も緩やかです。同じ濃度同じ時間で食塩水に浸しているので仕上がりの触感を近づけるために厚みを変えて切りました。
 よりしんなりして柔らかな物に仕上げたければ切る向きを変えてみたり、人参の存在感を主張したいなら厚みは変えずに切ったりと、仕上がりのイメージに合わせて下ごしらえの仕方を変えてみてください。

・塩もみではなく食塩水に浸ける
 →これも仕上がりのイメージに合わせて方法を変えます。塩は単体だと「固体」ですので塩もみの場合、塩の粒が付着している部分とそうでない部分に塩味の入り方、触感の変化等に差が生じます。それ自体が悪いわけではなく、そういった差は良いアクセントにもなりますから大根単体で作る場合なんかは塩もみでも良さそうですね。対して食塩水に浸けた場合は塩味の入り方も塩による脱水の効果も均一に作用します。今回のイメージは統一感を持たせることなので食塩水で下ごしらえをしました。ちなみに塩による脱水は塩分濃度が2%を超えていないと効果が薄くなってしまうので気を付けましょう。

・酢を砂糖と混ぜた状態で加熱する
 →米酢、穀物酢なんかはそのままだと酸が強くてきつく感じてしまいます。そこで酢の物は砂糖を混ぜるのが一般的なわけですね。味の抑制効果で甘味を足すと酸味はやわらいで食べやすくなります。ただ、砂糖も入れ過ぎると溶け切らずにじゃりじゃりとした食感が残ってしまったり、かといって少なすぎると酢はきついまま…。なのでここでひと手間。
 酢と砂糖を合わせて加熱をします。まず酢は加熱することで酸が揮発し角が取れた酸味になります。酢に含まれる酸の沸点はおよそ118℃ですが、沸点に到達しなくとも蒸発はしますのである程度ですが酸は飛びます。ボコボコと沸騰させると酸が抜けすぎてしまうのでやり過ぎはNGです。次に砂糖は水と熱が加わることで加水分解され転化糖に置き換わります。本来は140℃以上の温度でないと反応しないのですが、酸はこの反応を促進するのでわずかではありますが酢液の中には転化糖が生じます。この転化糖は冷えたときに砂糖に比べてより甘味を強く感じるので酸味をおさえてまろやかな味にしてくれます。
 なので、ちょっと甘さが足りないかな?くらいの砂糖を溶かして加熱することで酸味と甘味のバランスの取れた味になります。

以上、基本の「なます」の紹介でした。
ベースの紅白なますがイメージ通りに作れれば3色でも5色でも美味しく作れますよ。
おせちの主役がなますになるくらい美味しくできるといいですね。
最後までご覧いただきありがとうございました!