【基本のレシピ】卵スープ

基本の卵スープ 基本のレシピ

こんにちは!shunです。
本日調理いたしますは「卵スープ」
ふんわりとしたかきたまが入った優しいスープで中華や和食でよく見かけますね。
卵さえあれば作れるのでお手軽なイメージですが、いざ作ってみると

「卵がうまく固まらずに汁と混ざって濁っちゃった」
「火が入りすぎてふんわりっていうよりゴロっとした感じに」
「片栗粉を使ってとろみをつければうまくいくのは知ってるんだけどサラッとしたスープの方が好き」

なんてことはないですか?
なので今回は美味しい卵スープを作るというよりはどんなスープでもふんわりしたかきたまを作れるように

・卵と温度、塩の関係

にフォーカスしてレシピとポイントを紹介したいと思います。

材料 (2人前)

・卵        1 個
・塩        適量
・水        400ml
・中華スープの素  袋に記載の分量
 (鶏ガラ、シャンタン、ウェイパー等お好きな物)
・ごま油      大さじ1杯

手順

1.卵をボールに割り入れて塩をひとつまみ加える
 箸で卵の白身を切るようにしてよく混ぜる

2.白身の塊がなくなったらそのまま常温で15~20分程度置いておく
 卵液が常温に近く、オレンジがかった濃い色になったらOK

混ぜてすぐの状態
15分経った状態

3.鍋に水を入れて火にかける(なるべく小さめの鍋がよい)
 中華スープの素を入れて中心までしっかり沸騰するまで待つ

4.ボコボコと沸騰したらお玉やへらなど使い
 中心で小さく円を描くように回してスープに流れを作る
 そのまま回しながら卵液を水面に近い高さから少しずつ入れていく
 卵液を入れきったらすぐに火を止める

5.卵を軽くほぐすように混ぜる
 塩で味を調節しごま油を加える
 器に注いでお好みでごまやネギ等をちらして完成

ポイント

・卵が固まる温度
 →卵黄は65℃、卵白は60℃を超えると固まり始めどちらも70℃前後でしっかりと固体になります。なのでスープを濁らせないためには水温が70℃を下回らないように気を付けます。「卵液を常温に戻す」「スープをしっかり沸騰させてから卵液を入れる」というのが濁らせないためのアプローチでした。また、卵白は80℃を超えると水分を失いさらに固くなっていきます。なのでふんわりとした状態にするには卵に火を入れ過ぎないようにすることにも気を付けなければいけません。「水流を作って水面に近い位置から少しずつ卵液を入れる」「卵液を全部入れたらすぐに火を止める」というのがふんわりとさせるためのアプローチです。当然ですが動きのない汁の中に上から卵液を注げば水より重い卵液はすぐに鍋の底に付きます。鍋底は直火に当たっている訳ですから一瞬で卵は加熱し過ぎの状態になります。汁に動きを作ってあげて卵が下に落ちるのではなく横に泳いでいくようにしてあげているんですね。
 ちなみに片栗粉(でんぷん)を溶かしたスープだとキレイに失敗なく仕上げられるのは、「温度が下がりにくくなる」「スープの比重が重くなるので卵液が底まで沈みにくくなる」という効果を片栗粉が付与してくれるからです。卵に適切な火入れをする上で非常に理にかなっていますね。本レシピのポイントを押さえた上で片栗粉も使うとまさに鬼に金棒です。

・塩のタンパク質に対する作用
 →調理において様々な活躍をしてくれる塩ですが、タンパク質の構造を変性させるという特性も持っています。タンパク質は加熱されることで収縮し水分を放出します。塩によって変性が起きると収縮しにくくなるので水分の放出が抑えられ火を入れてもやわらかい状態を保てるようになるのです。卵もタンパク質が豊富な食材ですから塩の効果を得られるように卵液にはあらかじめ少量の塩を混ぜています。この効果はスクランブルエッグ等を作るときにも肉や魚を加熱するときにも役に立ちますので覚えておいて損はないはずです。

以上、基本の「卵スープ」の紹介でした。
かきたまが上手に作れればとろみのついた中華スープに限らずともいろんなスープに合わせてみて良いのです。
味噌汁、ミネストローネ、雑炊やラーメンでも。卵は様々な食材と相性いいですからね。
最後までご覧いただきありがとうございました!