【基本のレシピ】チキンソテー

基本のチキンソテー 基本のレシピ

こんにちは!shunです。
今回調理いたしますは「チキンソテー」
鶏肉に塩をして焼くだけのシンプルな料理ですが、しっかり仕上げたチキンソテーは皮はパリッとお肉はジューシーでメインとして存在感は申し分ありません。
ですがいざ作ってみると

「ちゃんと焼いてあるけど皮はブヨブヨで思ってたのと違う」
「鶏肉の生焼けは怖いから両面しっかり焼いたけどパサパサになっちゃって微妙」

なんてことになったことありませんか?
そこで今回はチキンソテーを最高の状態に焼き上げるために

・鶏肉の火入れの仕方

・お肉のジューシーさを保つ方法

以上2つのポイントの解説とレシピ紹介をしたいと思います。

材料 (2人前)

・鶏もも肉     1枚
・塩        肉の重量の約1%(肉が200gなら2g)
・油        15~30g(フライパンの大きさによる)
・こしょう     適量
・にんにく     1,2かけ(なくても大丈夫。ハーブ等の香りづけになるものがあれば加えると良い)

手順

1.鶏肉をまな板にのせ、はみ出ている筋、黄色っぽい油の塊、骨の破片があればカットして取り除く
 筋の多いところや肉が分厚い箇所に包丁で軽く切り込みを入れる
 塩を両面に振りかけて軽く擦り込む
 ラップをかけて冷蔵庫で一晩から一日置く

2.調理の20分程前に冷蔵庫から出し、室温に戻しておく
 表面の水分をキッチンペーパーで拭き取る
 なるべくしわが無いように皮を張った状態にする

3.火をつける前にフライパンに多めの油をひいて鶏肉を皮目を下にして入れる
 にんにくや香草があれば一緒に入れる(にんにくは皮ごとつぶした状態)
 弱火と中火の間くらいの火加減で加熱する
 ここから合計8~12分程火入れをしていく

4.始めの2~3分はあまり動かさずに焼く
 肉の厚みが薄いところは皮がへこみやすいので箸やトングで抑える(クッキングシートを被せた上にボウルや鍋で重石をしてもOK)
 にんにくやハーブの香りが立ってきたらフライパン上の油をスプーンですくってお肉の面にかけながらじっくりと火を通していく
 にんにくはきつね色になったらハーブと一緒に取り出すかお肉の上に移す

5.鶏肉の皮全体がきつね色に焼き上がったらフライパンの油を耐熱容器に移しキッチンペーパーでフライパンを軽く拭く(取り除いた油は鶏の香りが移った美味しい油なので他の料理にご活用ください)
 皮目を下にしたまま強火にし、余分な油を飛ばしながら焼き色が好みの色になるまで焼く(30~60秒程度)
 皮目を仕上げたら火を止めて裏返し、余熱で火を入れながら肉を休ませる
 2分程経ったらまな板に取り、こしょうを振って切り分ける
 器に盛りつけて完成(お好みでレモン等を絞って。一緒にソテーしたにんにくは皮を除けば食べられます)

ポイント

・お肉と塩の関係
 →以前こちらのレシピで塩がタンパク質にもらたす作用について解説しましたが今回も原理は同じくタンパク質の構造を変性させて水分を逃げにくくしてお肉を柔らかく仕上げます。卵と違うのは液体ではなく固体に塩を振るので素材の中心まで塩の効果と味が行きわたるまで時間がかかります。なので一晩置くわけです。もっと短時間で済ませたいのなら1%の食塩水を作ってそこに浸けておくのも手です。塩につけ過ぎると水分が失われていくのでは?というイメージを持たれる方もいるかと思います。確かに浸透圧の効果で多少の水分は抜けますが、それ以上に加熱によって失われる水分量に差が出るので結果仕上がりは塩を直前に振るよりジューシーになります。塩味も表面だけに塩が付いている状態より均一になるので鶏肉の旨味が引き立ちます。

・鶏肉の火入れ
 →まず皮をパリパリに仕上げるためには皮になるべく均一に火を入れることが重要です。できるだけしわを作らずに薄い状態で焼くのが理想です。フライパンを熱してから肉を入れてしまうと激しい温度差で強く収縮してしまいますので肉を入れるのは火にかける前から、重石をしたりしてフラットな状態にするのも同じ理由です。
 油の量も重要です。ステーキ用に切り分けられた牛肉や豚肉は面がフラットなので薄い油でもムラなく焼けますが鶏肉は丸みがあるためどうしても火の当たり方にムラができてしまいます。そこで皮全体が油と触れるくらいの量で焼く必要がある訳です。
 次にジューシーさを保つためには何よりも火加減が大事です。レアでも食べられる牛肉等と違い鶏肉は中まで火を通す必要があります。にもかかわらず強火で焼いてしまうと外側と内側の焼き加減の差は広がり、外は丁度よくても中は生焼け、中まで火は通ったけど硬くてパサパサなんてことになります。チキンソテーにおいて必要な火力は「皮をパリパリにできる最低限の火力」でいい訳です。なので最後の仕上げ以外は弱中火でじっくりと焼いていきます。
 また、フライパンの油を肉側に回しかける「アロゼ」というフレンチの技法を使っています。これにより肉側を直火に当てることなく低温で加熱する、肉の表面に油の膜を作り水分の流出を防ぐという効果が得られ肉はしっとり仕上がります。アロゼと余熱でじんわりと火を入れるのがジューシーさの秘訣です。

基本のチキンソテー

以上、基本の「チキンソテー」の紹介でした。
チキンソテーに限らず鶏肉を焼いて食べるレシピ全般に活かせる知識です。
ぜひ、ひと手間加えてお店で出てくるようなジューシーな鶏肉を味わってください。
最後までご覧いただきありがとうございました!